ユリス錠の特徴と臨床の位置付けは?ユリノームと比較しながら考察 | KusuriPro-くすりがわかる!薬剤師ブログ
今回のブログは新薬の話ではなく昔のお話。
とは言え医療関係者以外は読んでも良く分からないかもしれません。
医者でも卒年数によっては全然違う印象を持つ可能性があるんだけど。
痛風(高尿酸血症)の薬は昔はザイロリック派とユリノーム派に分かれていた。
もう少し分かりやすく書くと尿酸生成阻害薬と尿酸排泄促進薬のどちらを使うか。
尿酸産生過剰型か尿酸排泄低下型かでどちらを出すのかを決めるのが本当なんだろうけど、整形の医者はそこまで考えていないのが多かったの。
オーベンが日本人には尿酸排泄低下型が多いからユリノームの方が良いんだよって言うので俺はこれを使っていたんだけど。
だいぶ前にユリノームによる劇症肝炎での死亡例が新聞にも大々的に掲載されてね。
ビックリした。
外来患者でユリノームを処方している患者が沢山いたからその後は全員採血やってね。
医者人生でも本当に印象に残っている薬だったな。
その報道後は当然、ザイロリック派が優勢を極めて。
そしてその後のフェブリク(尿酸生成阻害薬)の覇権に繋がる。
FDAの「フェブリクはザイロリックよりも死亡リスクが高い」と警告。
フェブリクの覇権が終わりまたザイロリックが盛り返すかと思っていたら。
そこにユリノーム派の思いを受け継いだ尿酸排泄促進薬の新薬。
俺たちオールド整形外科医にとっては劇症肝炎を起こさないユリノームがユリスらしい。
まだ一度も処方したこともないけど。
どうなるんでしょうね。
尿酸排泄促進薬は巻き返せるか?
何で高尿酸血症の薬は日本の製薬会社が強いんだろうね。
その辺も不思議。
おわり。